黒を基調に格子状のラインを入れたファサードは、アプローチからエレベーターホールにかけて乱型タイルを敷き詰めた床にアプローチを彩る業平竹（ナリヒラタケ）と合わせ和を連想させ、都市部にも関わらず落ち着いた風合いを醸し出しています。

エントランスホールの吹抜けは２階の天井の高さ（約６ｍ）まで有り、狭い間口ながら、広さを感じさせます。真っ白な天井や壁も広く感じる要素なのかもしれません。
ペット対応をコンセプトの一つとし、共用部に専用の温水器付き足洗い場・５階にドックラン、各住戸には玄関扉の袖内外にリードフック・内部建具にペット用くぐり戸・傷防止用の腰壁とペット愛好家には家族同様に生活が出来るうれしいマンションになっています。 そのほかにもアクセントとして塗装や壁紙を替えたり・特注のシステムキッチンとデザインを意識したこだわりのある仕上がりになっています。

工事としては昨今の建設事情に共通していますが、非常に厳しい予算・工期の中での施工に緊張が絶えませんでしたが、幸い施主様と設計者に恵まれたおかげで、色々な提案を採用していただき無事完成に至りました。
工事開始当初は該当敷地が路地の奥にあったため、工事車両の搬入出や近隣対策に頭を悩ませましたが、優秀な警備員の助力もあり、工事全体を通して近隣の皆様に多大な協力を頂けたことは施工者として貴重な経験をさせて頂けたと感謝しております。

京都という狭い土地柄、今後も似たような条件下での仕事もあろうかとは思いますが、さらに段取り良く、よりスムーズに竣工出来る様、スペシャリストを目指して精進していきたいと思います。

工事担当者